シェフパティシエがきままに作る「Caprice Pâtissier(カプリス パティシエ）」。
初回は5月中旬に販売した「タルト オランジュ・ショコラ」で、好評のうちに販売予定期間を終えることができました。この場を借りてお礼申し上げます。（紹介記事はこちら）

さて、調子に乗って２作目が完成しました。今回はトレンドの「キャロットケーキ」への挑戦です。
ニンジンはもとより、生姜やスパイスなどを使って身体おもいのケーキに仕上げているので、企画担当としては父の日スイーツの好適品としても強く強くおすすめしております。早速ご紹介いたします。

●誕生のヒストリー

多様性を認め合うこの頃では大流行が生まれにくくなっていることが指摘されていますが、スイーツ業界も例外ではないでしょう。しかしまったく流行がないわけではなく、フィナンシエやスコーン、チュロスのようなお馴染みの顔ぶれが、焼き立てだったり斬新な形だったりなど、新しさや個性を備えて注目されているように思います。

そんな中で、ぶどうの森が注目したのがイギリスの伝統菓子の「キャロットケーキ」です。
最近じわじわとこのケーキの名を目にする機会がふえつつあるものの、知られているようで知られていない…そしてぶどうの森でもトライしたことがない。

それならこの波に乗って「ぶどうの森流・キャロットケーキ」をつくってみよう！！ということで塩崎シェフにおねがい（おねだり）してみたのでした。

●こだわり素材

ぶどうの森流ということで、材料にも随所にこだわりを込めてみました。

・ニンジン
キャロットケーキなだけに、ニンジン入り。特に産地は指定していませんが、細かくすりおろして、ニンジンのやさしい甘さを引き出しています。

・生姜・スパイス
ぶどうの森が運営する「銀座のジンジャー」のジンジャーシロップから生まれた素材です。
ジンジャーシロップはたっぷりの国産生姜にクローブやアニスなどのスパイスをブレンドして煮込み、それをゆっくりと濾して作るのですが、今回はその搾りかすを活用しました。

・島砂糖
薩南製糖さんの「島砂糖」を使用しています。奄美産のサトウキビを原料にした砂糖でまろやかでコクのある美味しさが特徴です。
素材の旨味を引き立てながらコクや深みを与えてくれる島砂糖に塩崎シェフがほれ込んで、「にゃんこのバウム in Kanazawa」などバウム菓子でも活躍してます。（にゃんこトラのお菓子はこちら）

・ゴールデンレーズン
緑のぶどうのクリームサンド（バニラレーズン）でも使用しているゴールデンレーズン。陽ざしをコントロールしながら干すことで果実のみずみずしさをとどめた秀逸品。自家製のバニラシロップに付け込んでいます。
(クリームサンドの詳細はこちら）

●味わい・構成

塩崎シェフいわく「爽やかなパンデピスをイメージした」とのこと。パンデピスはフランス語で「スパイスのパン」の意の伝統的な食べ物です。

しかし、このケーキはクラシカルなパンデピスのようにハードなイメージではなく、ソフトなカップケーキ。しかしジンジャーシロップの搾りかすが非常にいい仕事をしていて、フレッシュな生姜の香りとほどよい辛みがしっかりと感じられます。食べ終わるとなんだか血行がよくなった気持にすらなる心地よいスパイス感です。

さらに丁寧にローストした中粒のくるみが軽やかな食感と香ばしさを生みつつ、爽やかなゴールデンレーズンのすっきりとした甘さに加えてトップに塗られたなめらかなチーズクリームとシナモンのおかげで、最後は「まろやか」で締めくくられるのでした。罪なお菓子です。

●ペアリングの楽しみ

珈琲や紅茶は言うに及びませんが、味わいがしっかりとしているケーキなだけに、合わせる飲み物にも個性があるとよいでしょう。
スパイス好きさんなら、さわやかなジンジャーエールで追いフレーバーもおすすめです。父の日向けなら、ハイボールやビールなどのお酒とあわせても楽しい演出になるでしょう。

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なんだかんだと楽しそうに作ってくれた「キャロットケーキ」。
ややマニアックであることは否定しませんが、今回もシェフの愛情がつまった１品になりました。

少し暑くなってくる時期に、身体に活気を生んでくれるケーキになりそうです。ぜひお試しください。
クリームチーズを使用しているため、要冷蔵・当日中にお召し上がりいただく商品になっていますのでご注意ください。

品名：Caprice Pâtissier「キャロットケーキ」
価格：573円
販売期間：6月11日(火）～6月18日（火）
取扱店舗：洋菓子工房ぶどうの森 （金沢百番街店を除く）
※数量限定品です。状況により終売日が前後する可能性があります。ご了承ください。

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