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レ・トネル

[ワイン会レポート]5/28 ロマネ・コンティ オールドヴィンテージを楽しむ全3回① 山本益博氏を囲んで

2023.06.18

著名な料理評論家・山本益博氏をゲストにお招きし、ロマネ・コンティをメインに、山本氏が厳選したワインとお料理を楽しんでいただく全3回。その第一回目が開催されました。

〇日時:2023年5月28日 12:00~
〇会場:レストランぶどうの森 レ・トネル

山本益博氏(中央)と、右から米田総料理長、マルコ料理長、福島ソムリエ

「神に愛された村」が誇る2つのワイン

赤ワインの最高峰といわれ、世界中の愛好家が「一度は飲んでみたい」と憧れてやまない存在:ロマネ・コンティ。その希少性と品質の高さから、世界で最も高値で取引されていることでも知られています。

第一回の主役は、そんな、世界がうらやむロマネ・コンティの1995。
権威あるワイン評論家の著書においても、「葡萄の収穫量は少ないが、実はよく熟し、期待のもてる年である。」*1と語られており、期待が高まります。この極上のワインが生み出されるのは、フランスのブルゴーニュ地方、ヴォ―ヌ・ロマネ村の、わずか1.8haの畑。恵まれたテロワール(ぶどう畑を取り巻く環境要因)を誇るこの土地は「神に愛された村」とも称され、優れたワインを多く生み出しています。
今回ご用意した、ロマネ・サン・ヴィヴァン(DRC)もそのひとつ。葡萄はロマネ・コンティの東隣に広がる畑に育ちますが、ワインの味わいはヴォ―ヌ・ロマネ村の他の銘柄と較べても上品で長い余韻が続く、繊細であるといわれます。なかでも今回は、メインであるロマネ・コンティと同じ1995年のものをご用意させていただきました。

立地や土壌の違い、造り手の独自性などが、いったいどのように最高位のワインを最高位たらしめるのか。その系譜にも思いを馳せながら、2つのワインを味わっていただきます。

*1 Hugh Johnson 『Hugh Jonson’s Pocket Wine Book』 Mitchell Beazley 辻調グループ・辻静雄料理教育研究所 『ポケット・ワイン・ブック』早川書房

テーマは、「ロマネ・コンティへのリスペクト」

ロマネ・コンティをいただく際には、お料理はいったん小休止。
その香りや味わいと、五感をとぎ澄まして向き合う、というスタイルで行われました。

ロマネ・サン・ヴィヴァンもまたグラスに注がれていきます。

注ぎはじめるとすぐに、あたりがやわらかな香りに包まれる
ロマネ・コンティとロマネ・サン・ヴィヴァン。熟成を経てマホガニーと呼ばれる深みのある美しい赤色へ。

山本氏の解説に耳を傾けながら、ゆったりとロマネ・コンティとロマネ・サンヴィヴァンを堪能されるゲストのみなさま。
神に愛された村が生んだ、2つのワインをめぐる語らいは深まり、やがて話題は山本氏の料理哲学にまで広がっていきます。

その後お料理をお愉しみいただき1時間ほどたったころ、再びグラスへと注がれるワイン。
時間経過によってさらに開いた、魅惑的な香りをお楽しみいただきました。

DRCのコルクにはロマネ・コンティの畑のシンボルである十字架が描かれている。

[ソムリエからのコメント]

【ロマネ・コンティ1995】
「朝露に濡れたやさしい薔薇のような香りでした。28年を経て、いまだ若々しくまだまだこれから変化するような奥に秘めた可能性を感じました。(テイスティングしたものを、さらに2時間後に確認した際には)黒トリュフやドライフルーツのような、それでいて強すぎず余韻の長い香りを感じました。改めてロマネ・コンティは偉大であり、自然派ワインであるという事を実感しました。」

【ロマネ・サンヴィヴァン1995】
「濃厚な果実の香り。花の香りに加えてベリーの香りがありました。ほど良くスパイシーさがあり、トリュフのようなアロマがほんのりと感じられました。
力強さはないものの、今後の香りの変化に期待が持てました。(テイスティングしたものを、さらに2時間後に確認した際には)香りのボリュームは優しくなり、官能的かつ繊細で甘美なアロマを感じました。改めて、ロマネ・サンヴィヴァンはエレガントで女性的なグラン・クリュであると実感する経験でした。」

澱の余韻もあますことなく。熟成を経ると、甘みが加わり粗さが和らぐという

ワインの香りと重なりあう、レ・トネルの料理と空間

この特別なワイン会の会場となった、「レストランぶどうの森 レ・トネル」。野菜をメインとした北陸の旬の食材に、イノベーティブな要素をかけあわせた料理の数々がテーブルを彩りました。今回のお料理を、少しだけご紹介いたします。

七尾産の緋扇貝、加賀まるいも、輪島のアスパラ、富山産甘えびなど北陸の食材をふんだんに盛り込んだアミューズ
シェフの母国であるメキシコのタコスから着想を得た一皿。輪島産毛ガニを自家農園で育つグリーンピースのエスプーマが彩る
富山県産黒毛和牛“酒粕育ち”のいちぼに北海道産白アスパラを添えて。ばらの香りをとかしたソースでいただく
デザートにもメキシコ料理のエッセンスが。白いとうもろこしのトスターダに、野イチゴとルビーチョコレートのソルベ

お料理は、選りすぐりのワインとともに 

お料理とともにお楽しみいただいた、山本氏厳選のワインをご紹介いたします。

ジャック・セロス ブリュット(2001年デゴルジュマン)
コルトン・クロ・ドゥ・ラ・ヴィーニュ・オー・サン 2010 ルイ・ラトゥール
バルザック シャトー・クーテ 1989

第一回を終えて

ゲストのお一人が、印象的なお話をされていました。
「ワインと食事が素晴らしいものであることだけでなく、誰とわかちあうか、に価値があると思うのです。」

精彩を放つ山本氏の解説や料理哲学にふれながら、自然と人の営みが融けあって生まれ、長い時を越えた偉大なワインをわけあうということ。
こうしたひとときこそ、真に贅沢といえるのかもしれません。ロマネ・コンティに、改めて心からの敬意を表しつつ。
第二回は以降の開催にも、どうぞご期待ください。

ロマネ・コンティ ワイン会 第二回について
秋も深まる10月29日に開催予定です。
次回も山本益博氏を迎え、ヴィンテージ1986年のロマネ・コンティをメインに複数のグラン・ヴァンをお楽しみいただきます。

レストランぶどうの森 レ・トネル

世界的な建築家 坂 茂(バン シゲル)氏の設計による、フレンチレストラン。自家農園で収穫されたものをはじめとする「野菜」を主役に、北陸の上質な食材をあわせ、新しい表現を見せる。ハーブ、エディブルフラワーなどを使ったオリジナルドリンクを組み合わせたノンアルコール・ペアリングも魅力のひとつ。紙管を主体とした建築と、里の風景が織り成す柔らかな雰囲気のなかで食事を愉しむことができる。

コース 17,600 yen (with tax)

【昼】 12:00~13:00(ラストイン)
【夜】 18:00~19:00(ラストイン)

※不定休
※駐車場約140台完備


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