ニュース&トピックス

レ・トネル

[ワイン会レポート]3/3 ロマネ・コンティ オールドヴィンテージを楽しむ全3回③ 山本益博氏を囲んで

2024.03.18

著名な料理評論家であり、ソムリエ・ドヌールでもある山本益博氏をゲストにお招きし、ロマネ・コンティをメインに、山本氏が厳選したワインとお料理を楽しんでいただく全3回。
先日行われた、その最終回の様子をご紹介します。

〇日時:2024年3月3日 12:00~
〇会場:レストランぶどうの森 レ・トネル

今回のワインリストはこちら。
●ロマネ・コンティ 1972
●リシュブール1988
●クリュッグ グラン・キュベ 171エディション
●ル・モンラッシェ 1973 ルネ・フルーロ
●シャンボール ミュジニー 2014 ジョルジュ・ルーミエ
●リースリング トロッケンベーレンアウスレーゼ 1992

リリースから飲み頃を迎えるまでに、偉大なものでは30年ほどの熟成が必要であるといわれるロマネ・コンティ。
それを上回る年月を過ごしてきた今ロマネ・コンティ1972は、半世紀以上の時を越えていま、私たちに何を語りかけるのでしょうか。
M.ブロードベント著『ワインテイスティング』によれば1972年は「かなり良かった年」とされており、期待が高まります。

開会に際して、20世紀最高のワインともいわれるロマネ・コンティ1929との出会いと再会を語ってくださった山本氏

ワインという特別な飲み物への敬意を表しつつ、まずはクリュッグ グラン・キュベで乾杯。アミューズ、スープとお召し上がりいただき、少し空腹が和らいだ頃、テイスティングへと移っていきます。

皆さまの熱視線を受けながら、福島ソムリエがロマネ・コンティを開栓していきます。52年も時を経ていることに加えて、ソムリエナイフのスクリューが短く感じるほど長い、ロマネ・コンティのコルク。6分間の格闘の末に抜栓すると拍手が起き、錆色がかった美しいガーネット色のワインが、ゆっくりとグラスへ注がれていきました。
今回は、ロマネ・コンティのすぐ北方に位置する特級畑のワイン・リシュブール1988(ドメーヌは同じくDRC)を一緒にテイスティングしていただきます。

[ソムリエのコメント]

・ロマネコンティ1972
私も生まれる前のワインを抜栓することが心配でしたが、何とか無事に抜栓することができました。ワインの香りは控えめでしたが、時間経過とともに、華やかで、且つ甘美に開き始めました。途切れることのない香りの余韻の長さに感動しました。味わいは徐々に酸味を伴ってまいりましたが、香りは3時間後まで、時折表情を変化させながら私たちを驚かせました。

・リシュブール1988
リシュブールは引き締まっていて張りがあり、粘性は少ないが、偉大なグランクリュであるといわれています。
ロマネ・コンティとは畑がとても近く小道一本によって分けられているだけの区画にあります。香りと味わいはストレートに伸びてくる力強さがありました。1時間を経過したくらいから、とても甘美に香りを変化させ、驚くような味わいのバランスを感じることができました。

コルクやボトル、グラスを並べて思い思いに写真を撮影したり、山本氏との語らいを楽しんだりされながら、偉大なワインをゆったりと堪能される皆さま。
やがてお食事が再開され、フォアグラ、黒ホロホロ鳥、と料理が続きます。

幾度となく表情を変えていく、ロマネ・コンティの香りと味わい。急遽、山本氏のご提案でブリーチーズをロマネ・コンティとあわせて召し上がっていただくことに。沈んだように思われたワインの果実味が、再び膨らむのだといいます。
ロマネ・コンティ、リシュブールの澱をグラスに注いで提供させていただくと、「先ほどのチーズと抜群にあう」との声があがり、澱の入っていたグラスも次々に空いていくのでした。

豊かな脂と複雑な旨味のあるフォアグラに、林檎や蜂蜜の軽やかな甘さと、たんぽぽの苦みが調和
白山麓で育まれる柔らかで上品な羊肉をアンディーブとともに。その印象的な盛り付けと、羊の脂、だしを纏わせたアンディーブの味わいは山本氏からも高い評価を得た
黒トリュフ香るイタリアの定番ドルチェ・パンナコッタは、山本氏のリクエスト

名残惜しくも会がまもなく閉じようという時、山本氏が言葉を寄せてくださいました。
「例えば50年前のワインがつくられたその時の醸造責任者は、おそらくもうこの世にいない。しかしその後も世界のどこかで、自分の造ったワインを心から愛でてくれる人がいるならきっと本望でしょう。ワインを愛し、最後まで本当に丁寧に楽しまれる皆さまとの時間は、素晴らしいものでした。」

すべて空いてしまった後ですが…ロマネ・コンティ1972と、本日お楽しみいただいたワインの数々。

<全3回を終えて>

第1回ではロマネ・コンティの気難しさに困惑し、第2回ではロマネ・コンティに興奮し、第3回ではロマネ・コンティに感動しました。
山本氏は1929年のロマネ・コンティを3度飲む機会があったが、偉大な年といわれる1929年さえ、すべてのタイミングで完璧とは言えなかったという経験を話していらっしゃいました。「ワインを知るにはその頂点を知る必要があり、ロマネ・コンティを飲んでみたくなった。ロマネ・コンティを語るには偉大な年である1929年をベストの状態で飲むことが必要だった」と。
到底そこに及びませんが、今回の貴重な経験を経て、ロマネ・コンティの偉大さ、ワインの頂点の片鱗を少し体験する幸運に恵まれたことに感謝しました。(福島ソムリエ)


このような会を開く機会をくださった皆さま、ご参加いただきました皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。

次回ワイン会のお知らせ

2024年5月19日(日)12:00より「第1回 ボルドー オールドヴィンテージワインを楽しむ会」を開催いたします。
定員は8名を予定しております。
詳細のお問い合わせやご参加希望の方は、レ・トネル公式サイトのお問い合わせフォーム、もしくはお電話にてお問合せくださいませ。

レストランぶどうの森 レ・トネル

公式サイト:https://lestonnelles.budoo.co.jp
TEL:076-258-0204

公式Instagram:https://www.instagram.com/lestonnelles501


お得な会員サービス 公式LINEアカウント ぶどうの森ポイントカード